『遺言書』について知ろう【第2回】
4 秘密証書遺言
秘密証書遺言は、公正証書遺言と同じく、公証役場で手続きを行う遺言書です
。秘密証書遺言は、遺言者自身が遺言内容を書いて(パソコンで作成してもOK)封印したものを公証役場に持参し、その遺言書の存在だけを公証人に証明してもらいます。
これにより、その遺言書が間違いなく遺言者本人のものであることを明確にでき、かつ、遺言の内容を誰にも明らかにせず、秘密にすることができます。
ただし、遺言内容については公証役場にてチェックしてもらえるわけではありませんので、内容に不備があれば無効になる可能性がありますし、『検認』手続きも必要となりますので、実際には秘密証書遺言はあまり利用されていません。
5 遺言書保管制度(自筆証書遺言)
これは、令和2年7月10日より新しく始まった制度です。上記でご紹介した自筆証書遺言を自宅等で保管するのではなく、「法務局」という法務省に帰属する公の機関で手続きをすることにより、法務局にて遺言書を保管してもらうことができます。これによって、遺言書の紛失や改ざん等を防ぐことができますし、公証役場で作成する遺言書に比べて安価な費用で作成することができます。
また、上記2でご紹介した自筆証書遺言(自宅等で保管する場合)では『検認』手続きが必要でしたが、この法務局での遺言書保管制度を利用した場合、『検認』手続きは不要となります。
ただし、遺言の内容に関しては助言や審査等を行ってもらえませんので、内容の不備により遺言が無効になるなどの恐れがあることは、上記2でご紹介した自筆証書遺言(自宅等で保管する場合)と同様ですので注意が必要です。
このように、遺言書を作成する場合にはいくつかの方法がありますので、ご自身に合った方法で作成されるとよいでしょう。
★自筆証書遺言と公正証書遺言の違い
(出典:法務局 自筆証書遺言と公正証書遺言の違い)
次回は、遺言書の例を見ながら、実際にどのような内容や形式で遺言書を作成すればよいのかご紹介したいと思います。