みると通信:事例1

一人暮らしをしていて倒れた70才代女性が病院搬送された後、成年後見人が選任された事例

A さん

 類 型 : 後見  申立人 : 義姉(80才代後半)
年 齢 : 70才代  性 別 : 女性
疾 病 : 高度意識障害

申立の経緯

市内のマンションで単身生活していた。脳内出血を起こし自宅で意識不明で倒れているところを発見されて、病院に救急搬送された。一命はとりとめるが、高度の意識障害・経管栄養で寝たきりの状態となる。近しい親族もなかったが市外に居住する義姉が入院手続きは行った。医療・福祉サービスの契約・自宅の管理・通帳からの出金などは本人でないとできないが、本人の状態の回復の見込みもなく義姉が後見開始の申し立てをした。

後見人就任後

申立当初は本人はまだ救急病院に入院していたが、後見人就任後は急性期を脱したため、一般病院へ転院の手続きを行った。その後、介護療養病棟に転棟となったため介護保険の申請及び介護契約も行った。身体障害者手帳の申請も後見人として行った。また、担当の福祉専門職が定期的に入院先に出向き、本人の状態確認を行った。
通帳の管理を開始し医療費の支払や日用品の購入も行い、本人が以前貸金庫で管理していた預貯金も確保した。また自宅マンションの管理も開始したが、本人の在宅復帰の可能性は極めて低かった為、ガス・水道・電気・NHK等の解除などを行った。なお、本人は調理中に倒れたらしく、家主がかけつけるまで水道が開いたままだったようで、自宅内は水浸しになっていた。家財道具の殆どは使用できる状況になく、床も汚れたままだったため、業者を手配してこれらの処分や清掃を行った。

本人死亡後

後見人としての業務を続けていたが、後見人受任後から半年後、本人の容態が急変し、死亡。家裁への報告、後見事務終了にむけた各種書類の作成(後見人への報酬付与申立、東京法務局への閉鎖登記申請など)を行なった。
通夜・葬儀については、本人が元々進行していた宗教の形式で親族が執り行い、後見人は関与していない。
また、本人名義の財産については、戸籍をたどって相続人の確認を行い、代表として申立人に引き継いだ。なお、そのなかで相続人のうちにも成年後見制度の利用が必要な親族がいることが判明した。そのため、成年後見制度の申立・遺産分割協議のために法律専門職を紹介し、対応を依頼した。