みると通信:介護保険上のサービスについて(その2)

前回から介護保険サービスについて解説をしています。今回の内容は、大枠として、居住系サービス(住まいの場)としての位置づけとなります。ただし、サービス種別が在宅サービス(「5.その他の在宅サービス」)と施設サービスに分かれますのでご注意ください。

5.その他の在宅サービス

(17) 小規模多機能型居宅介護

家庭的な小規模施設で、日帰りで通うことを中心に、状況に応じて宿泊したり、自宅に訪問してもらったりしながら、日常生活の介助などを受けます。

メリット

  • ※月額定額制のため、介護保険利用限度額からはみ出す心配がありません。
  • ※必要に応じてデイサービス、ショートステイ、訪問介護の3つを臨機応変に選べる。

(18) 認知症対応型共同生活介護 (認知症高齢者グループホーム)

家庭的な環境の中で認知症の症状のある人が少人数で共同生活を送りながら、グループホーム職員である計画作成担当者(ケアマネジャー)が作成した計画に沿って、日常生活の介助や機能訓練などを受けます。

要介護状態
区分
1割負担の場合(円)
1ユニットのグループホーム 2ユニットのグループホーム
1日あたり 1月(31日)あたり 1日あたり 1月(31日)あたり
要介護5 852 26,412 838 25,978
要介護4 835 25,885 822 25,482
要介護3 818 25,358 806 24,986
要介護2 795 24,645 782 24,242
要介護1 759 23,529 747 23,157
要支援2 755 23,405 743 23,033

*2割負担の方はこの2倍の金額になります。

  • ※地域や介護度によって利用料金は、様々ですが目安として・・・月80,000~150,000円(1割負担の方の場合)
    詳しくは各事業所へお問合わせください。
  • ※ユニットとは、少人数の家庭的な生活環境を意識した単位を示しており、
    1ユニット最大9名とされています。

(19) 特定施設での介護 (有料老人ホームなど)

有料老人ホームやケアハウス等に入所していて要介護認定を受けた人が、職員である計画作成担当者が作成した計画に沿って、日常生活の介助や機能訓練などを受けます。

※介護付き有料老人ホームの費用 目安
(要介護3の場合)

  • ※有料老人ホームといえば、高額な入居一時金というイメージがありますが、最近は入居一時金が不要な施設も多くあります。また、生活保護受給中の方も入居できるよう家賃設定を抑えている施設もあります。
  • ※詳しくは各事業所へお問合わせください。

介護保険施設への入所

まず、施設サービスについては、支援1・2の人は利用できませんのでご注意ください。 施設サービスを利用した場合は、サービス費の1割を負担します。食費、居住費、日常生活費は全額利用者の負担となります。

(20) 介護老人福祉施設 (特別養護老人ホーム)

常に介護が必要で、自宅での介護が困難な人が入所し、日常生活の介助や機能訓練などを受けます。
原則として要介護3~5の方が入所の対象ですが、特例として要介護1・2の方が入所できる場合があります。

(21) 介護老人保健施設 (老人保健施設)

リハビリテーションなどを必要とする人が短期的に入所し、医学的管理のもと日常生活の世話も含めた看護や看護、機能訓練などを受けて、家庭への復帰を目指します。

(22) 介護療養型医療施設

医学的管理のもとで長期間の療養が必要な人が入所し、日常生活の介助のほか、医療や看護、機能訓練などを受けます。

施設の種類 施設サービス費 自己負担額 居住費 食費 日常生活費
介護老人福祉施設 164,100円~268,200円 16,410円~268,00円 ユニット型個室、多床室などにより金額が異なります 4万2千円 理美容代など
介護老人保健施設 230,400円~
317,700円
23,040円~31,770円
介護療養型医療施設 192,300円~
381,900円
19,230円~
38,190円
収入・資産により、減額される場合があります。

*利用者負担を軽くする制度を利用することで、利用料金が軽減される場合があります。

※例えば、特別養護老人ホームに入所の場合、

要介護5の方 多床室を利用した時 約 50,000円~90,000円/月
ユニット型個室を利用した時 約65,000円~140,000円/月

が目安となります。

以上、介護保険上のサービスの説明でした。注意事項としては、お住まいの市町村ごとでサービスを実施できる量(事業所の数など)が異なってきます。ご不明な点は各役所や地域包括支援センター、各事業所(居宅介護支援事業所など)にお尋ね下さい。

◎利用者負担を軽くする制度

高額介護サービス費

1カ月の利用者負担が上限額を超えた場合、申請により超えた額が払い戻されます。
また、世帯で複数のサービス利用者がいる場合は、上限額の適用が異なります。

高額医療合算介護サービス費

医療保険と介護保険の両方を利用して年間(8月から翌年7月まで)の自己負担額の合計が一定の限度額を超えた場合、申請により超えた額が払い戻されます。

居住費(滞在費)・食費の負担を軽くする制度

市民税非課税の世帯で介護保険施設・ショートステイを利用している人の居住費(滞在費)・食費は申請により軽減されます。
*一定の資産がある場合は対象外となります。

社会福祉法人による介護サービス利用者負担額軽減

介護サービスの提供を行う社会福祉法人が、市民税世帯非課税の人のうち、収入や資産などが一定の要件を満たし、生計が困難な人に対して、利用者負担の軽減を行います。

課税世帯における特例減額措置

市民税課税世帯の高齢者夫婦で、一方が施設に入所した場合に在宅で生活する配偶者等の収入が一定額以下になる場合、申請により居住費(滞在費)、食費を引き下げる制度があります。
*一定の要件を満たす必要があります。また、ショートステイは対象外です。

その他利用者負担を軽くする制度

災害等の特別の事情により、利用者負担が困難な場合、また保険料や利用料を支払うと著しく日常生活が困窮する場合には負担を軽減する制度があります。

問い合わせ先:住所地の区役所保健福祉課介護保険担当

(参考サイト)