「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」について(第二回)

 

誰もが安心して自分らしく暮らすことができる地域共生社会の実現を目指して、『精神障害者にも対応した地域包括ケアシステムの構築に係る検討会』より、報告書が公表されました。

第一回では、精神障害にも対応した地域包括ケアシステム構築の経緯についてお伝えしました。

令和2年3月より「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に係る検討会」が設置され、「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」の基本的な考え方、重層的な連携による支援体制の構築、普及啓発の推進並びに精神保健医療福祉、住まい及びピアサポート等の同システムを構成する要素についての検討が行われ、今後の方向性や取組について取りまとめられました。

今回は、内容を抜粋してお伝えします。

精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に係る基本的な事項

●精神障害にも対応した地域包括ケアシステムでは、精神障害の有無や程度にかかわらず、誰もが安心して自分らしく暮らすことができるよう、重層的な連携による支援体制を構築する。

 

●「地域共生社会」は、制度・分野の枠や、「支える側」と「支えられる側」という従来の関係を超えて、人と人、人と社会のつながり、一人ひとりが生きがいや役割を持ち、助け合いながら暮らしていくことのできる包摂的なコミュニティや地域社会を創るという考え方であり、「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」は「地域共生社会」を実現するための「システム」「仕組み」と解され、地域共生社会の実現に向かっていく上では欠かせないものである。

 

●重層的な連携による支援体制は、精神障害を有する方等一人ひとりの「本人の困りごと等」に寄り添い、本人の意思が尊重されるよう情報提供等やマネジメントを行い、適切な支援を可能とする体制である。

 

●同システムにおいて、精神障害を有する方等が必要な保健医療サービス及び福祉サービスの提供を受け、その疾患について周囲の理解を得ながら地域の一員として安心して生活することができるよう、精神疾患や精神障害に関する普及啓発を推進することは、最も重要な要素の一つであり、メンタルヘルス・ファーストエイドの考え方を活用する等普及啓発の方法を見直し、態度や行動の変容までつながることを意識した普及啓発の設計が必要である。

 

 

次回は、「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムを構成する要素」についてお伝えします。

 

もっと詳しく内容を知りたい方は、下記ホームページをご参照ください。

厚生労働省 「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に係る検討会」報告書

https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000152029_00003.html

 

参考

・地域包括ケアシステム構築に向けた制度及びサービスのあり方に関する研究事業報告書

・みんなの医療ガイド