成年年齢引き下げと福祉(第二回)

障害福祉サービス利用上の問題(成年後見制度との関係)

前にも少し触れましたが、総合支援法による障害福祉サービスを利用する場合、「児童」でない未成年者も障害者として成年の障害者と同様のサービスを利用することができます。

ところで、障害福祉サービスを利用するということは、サービスを提供する事業者とサービス利用契約を結ぶことが前提となるのはいうまでもありません。

 

20歳未満の障害者の場合、これまでは両親が親権者として事業所と契約を結んでいたのですが、本人が18歳になれば、両親の親権が消滅しますので親御さんが直接事業所と契約することができなくなります。

 

しかし、このことを理解して本人(判断能力に問題のない場合)や本人の成年後見人とサービス利用契約のやり直しを行っている事業者はほとんどないのではないかと思います。

というより、その必要性を認識していない知的障害者の親御さんや事業者が大多数で、成年後見制度を真剣に検討している当事者は極めて少ないのはないでしょうか。

まずは、知的障害者に対する福祉サービスを提供する事業者がこの改正を再確認し、利用者が18歳以上の障害者の場合、特別支援学校高等部卒業とともに親権者である親御さんが福祉サービス提供事業者と契約を結んでいたこれまでとは異なり、成年の障害者(判断能力に問題があれば当然に成年後見人)と契約を結ぶことになることを親御さんたちに説明する必要があると思います。