みると通信:統合失調症について知ろう 【第1回】

はじめに

今回は統合失調症について正しい知識の理解を深めてもらうことを目的に、
第1回「統合失調症ってどんな病気?」
第2回「統合失調症の治療とは?」
・第3回「統合失調症をわずらった方が利用できる保健・医療・福祉サービスって何があるの?」【前半】【後半】
第4回「統合失調症の事例」
を全4回にわたりシリーズでお届けします。

【第1回】統合失調症ってどんな病気?

 「統合失調症(とうごうしっちょうしょう)」という病気は、20歳前後に発病することが多く、100人に1人くらいにみられる病気です。以前は”精神分裂病”とも呼ばれていましたが、病名に対する偏見が著しく強いという理由から2002年に改名されています。原因は未だにはっきりしていませんが、過度な疲労や不眠、強い不安や孤立と感じるなどの環境要因がひきがねとなり、脳内のホルモン(脳の神経伝達物質)のバランスが崩れることで起こる病気といわれています。

 症状は大きく分けると(1)陽性症状(表に出やすい症状)と(2)陰性症状(目立ちにくい症状)、さらに(3)認知機能の障がいがあります。また、病気を患ったことから二次的に起こる(4)社会的障がいがあげられます。

(1)陽性症状(表に出やすい症状)

主に幻覚と妄想があります。幻覚は、脳内のホルモンが過剰になることで、現実には存在しないものが見えたり(幻視)、自分の考えや感情、想像したことの一部が聞こえたり(幻聴)する症状です。これらの症状があると、「常に誰かに見られている」、「自分の考えが他人に知れ渡る」感じがして、いつも強い不安に襲われたり、引きこもりになることが多いのです。それを治療せずにそのまま放っておくと、「誰かに狙われている」「お金を盗られた」などの妄想になっていきます。ただし、一般的に陽性症状はお薬を服用することでほとんどの症状を抑えることができます。最近では新しい薬も開発されるなど研究も進んでいます。

(2)陰性症状(目立ちにくい症状)

主に引きこもりや意欲の低下、感情がにぶるような症状があります。例えば「1日中寝て過ごす」、「何をするにもやる気が起こらない」、「顔の表情や声色に感情がない」など、周囲の人から見たら、やる気のない人だと誤解を招きやすい状態になります。このため、特にご家族から見たら、「家でゴロゴロして何もしない」、「怠けている」など誤解されやすく、家族関係にも影響を及ぼします。互いにストレスを強く感じる状況が続き、かつお互いに家で一緒に過ごす時間が多いほど、症状の悪化に繋がりやすいのです。

(3)認知機能の障がい

認知機能とは、記憶力や注意・集中力、物事を計画し実行する、判断する、問題を解決するなどの能力をいいます。この機能が障がいされると、生活全般で支障をきたします。ゆえに、作業能力が低下や臨機応変な物事への対処の困難、新しい環境になじみにくいなど社会生活上さまざまな困難を伴います。また、これらは陰性症状と同様、周囲の人から見たら怠けているように見えるなどの誤解を招かれることが多いです。
こうした陰性症状や認知機能の障がいは、陽性症状に比べるとお薬のみの治療では改善が難しく、リハビリテーション治療との併用が必要です。

(4)社会的障がい

これは、統合失調症に限ったことではありませんが、人は重い病気や障がいを患うことにより例えば、人によっては「仕事に就けなくなる」、「収入がなくなる」、「子育てが困難になる」、「家族関係が悪化する」などさまざまな生活上の問題を抱えます。特に統合失調症状などの精神疾患を患うと、これらの問題に加え「統合失調症をわずらった人=怖い人」と誤ったイメージを持つ人が多いこと。また、遺伝や性格、育てられた環境のせいで病気になったという誤解をもたれやすいため、多くの方が差別や偏見に苦しんでいます。このようなことからも、病気に対する正しい知識の理解を深めることで、彼らが地域の中で安心して生活できるサポート作りが必要です。

 以上主な症状や障がいを簡潔にまとめていますが、この病気は誰でも患うことがある病気であり、決して特別な病気ではありません。これらのことでお悩みの方がいらっしゃいましたら、お気軽にお近くの医療機関や保健所などにご相談されて下さい。